君の木の下

夫婦と子どもふたりの日常備忘録

誕生日

先日誕生日を迎えた。

朝食の際に大木くんがふみちゃんに、「今日お母さんの誕生日だよ」と言っていてそういえばそうだったと思い出した。

この年になるとそんなもんである。

毎日いっぱいいっぱいで、自分の加齢より子どもの成長のほうが何倍も重大で。

 

夜、夕食を中断していつものように先にくうちゃんを寝かしつけ、ダイニングに戻ってきてひとり夕食の続きを食べていると

「おかあさんにプレゼントあげるの。はい、どうぞっ」

大木くんと一緒にお風呂から上がってきたふみちゃんから、突然白い包みを渡された。

期待していなかったためすごく驚いた。

「ありがとー!」とお礼を言うと、「どういたましてー」と得意げである。

包みにはハンカチが数枚入っていた。先日、大木くんがふみちゃんの3歳児健診に連れて行ってくれた際に、空き時間にふたりで買ったという。

20代向けくらいの可愛らしいハンカチも、娘が選んでくれたと思うとうれしいし逆にいいんじゃないかと思って翌日から早速使っている。

 

しかし、ふみちゃん3歳。プレゼントを渡すまでよく秘密にできたなと、あとから大木くんに聞いてみたところ、やっぱり秘密にはできていなかったらしい。

ハンカチを買ったその日の夜、うっかり「おかあさんにプレゼント買ったの」とわたしに話しかけていたらしい。ただ、たまたまわたしはキッチンで洗い物をしていて聞こえていなかったようだ。

なお、そのときふみちゃんと一緒にソファに座っていた大木くんが、笑って「誕生日まで秘密にしとくんだったでしょ」と指摘したら、今度は急にハッとなって泣き出してしまったらしい。ふみちゃんは赤ちゃんの頃から失敗を指摘されるとこの世の終わりみたいな顔をするのだ。厳しい育て方はしていないのでたぶん生まれ持った性格なのだと思うが。

 

「3歳児健診の日の夜、ふみちゃんが急に泣いて俺がなだめてたことあったでしょ」と大木くんは言うが、そんなことはよくあるので、覚えていない。

一度「失敗」して深く心に刻み込まれたからか、その後はプレゼントのことは口にせず、そのまま当日まで忘れていたとのこと。

 

子どもからプレゼントをもらう、ということが初めてだったのでなんだか印象的な出来事だった。