君の木の下

夫婦と子どもふたりの日常備忘録

子どもの顔がわたしに似てきた

生後5か月のくうちゃんを連れてふみちゃんの保育園のお迎えに行くと、ふみちゃんの去年の担任の先生がくうちゃんの顔をのぞきこみ、

「かわいい~、ふみちゃんにそっくりですね。口元が一緒!」

と言った。

そうですかねえとわたしは曖昧に首を傾げた。くうちゃんは上唇が何となく下を向いているが、ふみちゃんは幼児らしくツンと上を向いている。

口はとくに似てないと思うけどなあ。

でも言われてみれば鼻から口にかけてのライン?が似ているような気もする。どこか小動物っぽいというか。考えながらわたしはハムスターやモルモットを頭に思い浮かべた。まじまじとくうちゃんを見て、「そういえば赤ちゃんにしては鼻と口の距離が離れているような気がするなあ」とぼんやり考えてから、はたと気づいた。これ、わたしに似ているのでは。

 

うちに帰ってから鏡をのぞきこむと、なんと鼻と口の距離が離れているではないか。今まで自分でも気づいていなかったが、わたしは鼻の下が長かったらしい。なんかショック。34年生きてきて今更新たに自身のブサイクな部分に気付くなんて。

三面鏡で横顔も確認。長い。鼻の下が。そして上唇が何となく下を向いている感じ、くうちゃんといっしょだ。くうちゃん、わたしのブサイクなところが遺伝したのか。かわいそうに。

 

でもふみちゃんは全然そんなことないよな。とふみちゃんの顔も確認。

いや違う。ふみちゃんもだ。上にめくれた厚めの唇で分かりにくいだけで、ふみちゃんも鼻の下が長く、とくに笑ってくちびるが薄くなると、くうちゃんと同様にモルモットみがあるのだった。

なんだか申し訳なくなった。たいして両親に似ていないのに、ブサイクな部分だけ母親によく似ているなんて。

 

夕飯時、今日保育園でふたりの口元が一緒と言われた、という話を大木くんにしたところ、大木くんは気づいていたらしくて「お母さん似だよね」とふみちゃんに笑いかけた。

おかあさん似。

その響きはなんだか悪くないような気がした。

 

ふみちゃんもくうちゃんも、今のところあまり親に似ていない。目鼻がはっきりしすぎの大木くんと、ザ・平たい顔族のわたしとのちょうど中間のような顔だったので、これまで誰からも、「母に似ている」とも「父に似ている」とも言われたことがなかったのだ。

 

あとであらためて鏡を見て自分の口元がげっ歯類っぽいことを再発見し、「でも子どもたちと似てるんであれば、まあ、悪くはないか」と思ったのだった。