君の木の下

夫婦と子どもふたりの日常備忘録

パパの育休は何か月必要? 我が家の場合

2人目が生まれた際、9月、10月とおよそ2か月間、夫が育休をとってくれたのだけれど、10月下旬にもなると「2か月はいらんかったかも……」と思ったりしたので、どのくらいが適当だったのか、妻の視点から我が家の場合を振り返ってみた。

結論から言えば、「日中、子どもが赤ちゃん一人だけであり、職場への復帰後も夫が上の子の世話や多少の家事ができるのであれば、夫婦二人が産育休をとるのは1か月半あれば充分」である。

これから育休を取ろうと考えているどなたかの参考になれば。

 

 

 

はじめに(赤ちゃんの成長について一般的なこと)

育児書などによると、生まれたばかりの赤ちゃんは3時間おきにおっぱいを飲み、一日に16時間以上寝ている。

らしいのだが、育児書どおりの赤ちゃんは少ないと思う。

我が家の2人の子どもたちは、授乳間隔は短いときは数十分、長いときで3時間程度で、一回の授乳に数十分(長いと1時間)かかった。よく吐き、よくうんちを漏らすので洗濯回数が上がる。なお、ウンチ漏れは手洗いが必須。なぜ泣いているのかわからないけどずっと泣いてる、ということがよくあり、抱っこしてひたすらスクワットをしていないと泣き止んでくれなかったりした。

 

生まれたばかりのころは昼夜の区別がついていなかった赤ちゃんは、2ヶ月ほどでだんだん昼間の時間帯に長く起きているようになり、生後5ヶ月ごろになれば朝起きる時間や1日3回の昼寝の時間などが何となく定まってくる。生後6ヶ月にもなれば夜間の授乳がなくとも脱水症状を起こしたりはしなくなるらしいのだが、赤ちゃんの眠りはとても浅いうえに夜泣きも始まるので、実際にはその後も夜中にたびたび起きてしまう。おっぱいを欲しがったり、おっぱいすら拒絶して泣きわめいたり。夜通し寝てくれるようになるのは1歳以降になる子が多いのではないだろうか。子どもによっては、もっと大きくなるまで夜泣きが毎日続く子もいるらしい。

 

日本では、生後1か月間は赤ちゃんの外出は推奨されない。1ヶ月健診にて医師のお墨付きをもらってから、数分ずつ外気に慣らしていく。

そのため、上の子を外遊びに連れて行ったり保育園に送り迎えに行ったりする際、赤ちゃんを同行させることができるのは、早くても生後1か月半以降だろう。

 

また、赤ちゃんとは別に母親も1ヶ月健診がある。ここで異常がなければ、それ以降湯船に浸かることができるようになる。つまりそれまではシャワーのみなので、上の子をお風呂に入れる役割は必然的にパパ、ということになる。

 

我が家の前提条件など

我が家は両実家が遠方であり、里帰りもしなかったため、実家のサポートはほぼ得られない状態だった。

2歳になったばかりの上の子がいたが、平日の日中は保育園に通っていた。

このあたりの事情が変わると、取るべき対応もまた変わるはず。

 

また、2人目の出産は、誘発剤を使用しての普通分娩(帝王切開でもないしいわゆる無痛分娩でもない)で、出産にかかった時間は平均より大幅に短い約3時間。大きなトラブルはなかったものの、2リットルを超える大量出血があった(通常は200〜300ml程度で済むらしい)。

出産は一人ひとりちがって、産後数時間ですたすた歩ける人から、骨盤の痛みなどでしばらく歩けなくなる人までさまざまなので、あくまでわたしの場合どうだったかを時系列で書いてみる。

 

産後1週間目(入院中)

出血量が多かったので出産当日はトイレにも行けない絶対安静状態。翌日から歩行の許可が下りる。シャワーを浴びに行くだけでへとへとになる状態が続いたが、退院するころには荷物を背負ったうえで赤ちゃんを抱っこできる程度には回復していた。それでも、小走りもできないほど体は弱っていた。

ただ、入院中に夫の助けがいるか?というと、別にいらない。コロナで面会もできなかったので、土日に一度荷物を届けてもらっただけだった。面会が可能であったなら、洗濯をしてもらえたら助かっただろう。

退院の日だけは、絶対に助けが必要だ。入院中の衣類やおむつなどで荷物が多いうえに、赤ちゃんを抱いて帰る必要があるため、母親一人では物理的に手が足らない。ここは絶対だ。

また、役所に出生届などを提出しなければならないのだが、母子はまだ自由に動けないためこれも夫にやってもらいたい。

 

産後2週間目

上の子と遊ぼうとしてちょっと体を起こしているとすぐぐったりしてしまう。微熱が出たりおさまったりする。

回復のために今は寝るのが仕事、と自分に言い聞かせ、赤ちゃんの授乳以外のお世話、そしてすべての家事は夫に任せて寝ることに集中した。

この時期、夫の育休は必要。無理なら産後ケア施設など育児支援サービスの利用の検討を。

 

産後3週間目

洗濯物を畳むなど、軽い家事を一日ひとつくらいならできるようになる。しかしまだ小一時間パソコンに向かっていただけで頭痛を起こして寝込んだりする。

この時期もできるだけ夫に育休を取ってもらいたい。赤ちゃんがわけもなく泣いているときに、昼も夜もなくあやさなければならないのは産後の体にはしんどい。

 

産後4週間目

簡単な食事の準備など、軽い家事を一日ふたつくらいならできるようになる。夜は細切れ睡眠なので日中に昼寝するなどして睡眠不足を補う必要はあるものの、一日中ずっと横になっていたいほどのだるさは抜けてくる。わたしはこの時期から日中はパジャマから普段着に着替えるようにしていた。

もし子どもが赤ちゃん一人で、帰宅後に父親が家事をできるのなら、この時期に仕事に復帰してもよいかもしれない。

我が家は上の子がおり、それゆえに家事の手を抜くのも限度があったため、まだまだ夫の育休はありがたかった。

 

産後5〜6週間目

1ヶ月健診を終え、赤ちゃんを連れて少しずつ外を散歩するようになる。家の中で動き回る程度の動作では、特に大きく疲れることもなくなってきた。

しかし、この時期に用事があり赤ちゃんを夫に預けて2時間ほど外出したところ、帰るころにはぐったりして何もできなくなってしまった。元気になったように見えて、まだ体は弱ったままだった。

また、この時期、乳腺炎を起こして熱が出ることが何度かあった。

まだまだ体調を崩しやすいので、この時期まで育休を取ってもらえると安心ではある。しかしうちの夫はこの頃からなんだか暇そうに見えた。庭木の剪定など、普段やれない家事をやってくれていた。

定時で帰れて上の子の送り迎えができ、妻になにかあった場合すぐに休みが取れるのであれば、仕事に復帰しても大丈夫かもしれない。

 

産後7〜8週間目

かなり体が軽くなったなという実感が出てくる。もちろん筋力や体力は妊娠前に比べると弱ったままなので、元どおりとはいかないが、「産後」という意識は薄くなる。日中に赤ちゃんの世話をしながらだいたいの家事はこなせるようになる。

この辺が父親の復帰の目安になるような気がする。

仕事が長時間労働で上の子の送り迎えに行けないならもう少し休んでいた方がいいだろうし、復帰後も上の子の送り迎えや入浴、多少の家事の協力ができるならそろそろ復帰のタイミングになる。元気な大人2人で赤ちゃんひとりをお世話してもぶっちゃけ暇である。夫だけでなく妻も。それこそ、以前岸田総理が言っていたような「育休中のリスキリング」ができてしまう。逆に言うと、赤ちゃんの成長を間近で見ながら社会人としてもスキルアップしたいというなら、産後1ヶ月以降に夫婦二人で育休をとることは大きなチャンスになると言える。また、ひとたび職場復帰したら長時間労働デスマーチが再開される…というひとであれば長めに休んでおいた方がいいかもしれない。

 

産後3ヶ月頃

この頃にようやく「元に戻った!」という実感が持てた。もちろん、筋トレやジョギングが以前のようにできるわけではないが、土日に上の子の外遊びに付き合っても、バテたりしなくなった。

わたしの体感だと「赤ちゃんの世話+保育園から帰宅後の上の子の世話+家族4人分の家事(便利家電やネットスーパーを利用)」を合わせると、1日当たり1.5〜1.6人分くらいの労働量だと思う。父親が帰宅後に0.2〜0.3人分くらいの労働力を提供してくれれば2人ともそんなにしんどくならずに毎日楽しく暮らせるね、という感じ。

 

 

まとめ

以上が我が家の場合の振り返りだ。

まとめると、赤ちゃんのお世話と最小限の家事を一人でこなしてもしんどくなくなるのは産後1ヶ月ごろからだった。その後もしばらくは体調を崩しがちだったものの、1ヶ月半程度の育休をとってもらえれば充分だったかなと思っている。

もちろん、さらに数か月たって、夜泣きが始まったり離乳食が始まったりはい回って目が離せなくなってくるとまた別の大変さは出てくるが、産後で体がしんどいことによる大変さは、大抵1~2ヶ月で落ち着くと考えてよいだろう。

これから育休を取ろうと思っている方の参考になれば幸いである。

 

ただ、繰り返しになるが出産も子育ても人それぞれなので上のとおりに考える必要はないし(妻のサポートではなく自分自身が長期間赤ちゃんのお世話をしたいという人もいるだろう)、生まれてみたら全然違った!ということもあると思う。

 

例えば、知り合いは出産時の傷がうまく治らず、数ヶ月後に手術が必要になった。3週間の入院となり、その間旦那さんが育休を取って赤ちゃんのお世話をすることになったという。

こんなふうに産後は何が起こるかわからない。せめて「出産、育児は何があるかわからない」という認識だけは持っておいたほうが良いと思う。

異様に寝なくて親の体力を削いでくる赤ちゃんとか、ずっと泣き通しで親のメンタルえぐってくる赤ちゃんなどもいるらしいので…。

 

ちなみに

世の中には上の子が保育園にも幼稚園にも入っていない状態で下の子を産み、二人の乳幼児の世話をひとりでしている専業主婦の方も多いと思うが、これ、実際はかなりキツイのではないかと思う。

赤ちゃんが上の子と同じくらいのタイミングで食事をとり、昼寝をするようになるのはせいぜい1歳すぎからだからだ。生活リズムの異なる子どもたちをひとりで見るのは至難の業だ。上の子を外遊びに連れていっても、赤ちゃんがお腹が空いたからと短時間で切り上げなければならなかったり、上の子が遊んでほしいとせがむのを振り切り、ようやく赤ちゃんを寝かしつけたとおもっても上の子の声ですぐ起きてしまったり…。

1日、2日なら気合でなんとかできても、毎日となると体力も気力も持たない気がする。これをワンオペでやっているお母さんも日本にはたくさんいるのだろうけど、わたしにはどう生活を回しているのか検討もつかない…。気軽に頼りあえるママ友などがいればいいのだけど…。

この場合父親は「うちは専業主婦家庭だから」と言わずになるべく育休を取得した方がいいと思う。

 

 

誰もが育休を必要なだけ取れる社会になりますように。

おわり。