君の木の下

夫婦と子どもふたりの日常備忘録

育児っていうほど大変じゃないのかも(生後2か月弱での備忘録)

などと言えるのは夫がめっちゃ家事育児やる系男子だったからだが。
産後2,3週間休みを取り、毎日だいたい定時で帰ってきて子どもをお風呂に入れてくれる夫がいる場合の育児について、現時点での感覚を記録しておく。


「生まれたら寝る暇もないよ」「産後は本当に大変だから産前休暇は思い切りのんびりしてね」「夫婦仲は産後クライシスどころじゃない」
などと言われまくっていたからどれほどのものかと思っていたけれど、産んで2か月近くたった今、「それほどでもない」というのが実感だ。仕事で残業が続いていた時期に比べればなんてことはない。うちのふみちゃんは育てやすい子なのかもしれない。

生まれた直後は、授乳は1,2時間おき、時には20分足らずで、夜中にもぐずって眠れない、という感じだったので確かに寝不足が続いたが、それも徐々におさまってきて、最近は、夜間は3,4時間まとまって眠り、日中は1,2時間おきの授乳。わたしもふみちゃんも徐々に慣れてきて、授乳は苦ではなくなった。うちの子はうとうとしながらかなり時間をかけておっぱいを飲むが(長いときは1回50分ほど)、その間、テレビを見たりスマホをいじったり本を読んだりもできる。
また、訳もなく(本人からすれば訳はあるのだろうが)泣いている時もあるが、うちのふみちゃんは「何しても泣き止まない」ということはない。だっこしてスクワットしていれば、あるいはスリングに入れて歩き回っていれば落ち着いてくれる。目に涙をいっぱいためた泣き顔はかわいいとすら思う。

今朝も5時ごろ、授乳が終わって眠ったと思ったら急に「ええーん」と大きな声で泣きだしたので、起き上がって抱きあげた。顔をわたしの胸に寄せ、「だいじょうぶだよ」とささやく。立ち上がってゆらゆらとゆりかごのようにゆらしてやる。ものの数十秒で落ち着き、再びうとうとと眠りに落ちていく赤ん坊。わたしの腕の中で安らぎを感じて無防備になってゆく。
なんてかわいいのだ。
愛しい愛しい。
ふわふわの髪に顔を寄せ、このままずっとだっこしていたいとすら思う。


とはいえ、ストレスが全くないわけではない。
一日中言葉も道理も通じない相手と対峙するのは疲れるというか、だんだん面倒くさくなってくる。
たとえば、最近のふみちゃんは顔の前でおもちゃを揺らしてやると、延々目で追い続けるようになった。成長を感じてかわいいのだが、大人の方はすぐ飽きてしまう。十数分で限界だ。いつまでやればよいのだ、と思いながら無表情でひたすらおもちゃを掲げる。そろそろいいかな、とそばを離れるとかまってほしくてぐずったりする。またかいな、と思いながら駆けつける。
たとえ言葉も道理も通じる相手だったとしても、誰かを毎日一日中相手するなんてできない。大木くんとの二人暮らしだって、それぞれ好きな映画を見たり本を読んだりと、自分の時間が持てていた。今も自分の時間はあるにはあるが、ふみちゃんがこちらのタイミングを考慮してくれるわけではない。

昨日、ベビー用品を買いに、大木くんとふみちゃんとで外出をした。初めての長時間の外出だ。
が、目当ての商品は在庫切れだったりネットよりずっと高かったりして何も買えず、しかも帰りのバスは定刻を過ぎても待てど暮らせどやってこない。待ちぼうけたバス停で蚊にさされまくって、ただただ苛立ち、疲弊して帰路についた。
体が疲れただけでなく精神的にも疲れ果て、無性にむしゃくしゃした。大木くんにふみちゃんをお願いし、スーパーとコンビニをはしごして大量のお菓子を買いに走り、一人で黙々と食べた。
昨日だけでは飽き足らず、今日もホールのチーズケーキを買ってきて一人自室にこもって平らげた。(しかしチーズケーキ1ホール程度では足りなかった)
どうもやる気が出ない。気力が湧かない。
育児なんて大変じゃない、うちの子は育てやすい、と思っていたが、慣れない生活に知らず知らずストレスが降り積もっていたのだな、と自覚した。


ただそれでもふみちゃんを抱っこしたときの安心感は何物にも代えがたく、ストレスの源は育児であろうが、それをすべて癒してくれるのも、可愛い可愛いわたしたちの赤ちゃんだ。
最近は、抱っこ紐に入れたときなど、きゅっと両の手で親の服をつかんだりする。その小さな手の感触に、きゅんとして、へらへらと心がやわらかくなっていく。
あと何年こうしてだっこできるのだろうか、と思うとこの愛しさを余すところなく味わい尽くして噛みしめたいという気持ちになり、抱き癖が付いたってなんだってかまわない、だっこできるうちにできるだけだっこしようなどと思ってしまうのだ。


明日からまた平日だ。
特に大変なことも難しいこともない、ふみちゃんと二人きりの、まったりとした日常。
ネットを見ると、今度は「ハイハイを始めたら大変になる」「自我が出始めたらもっと大変」などとさらなる脅しがあちこちに書き込まれているけれど、たぶん我が家は大丈夫なのだろう。
ふみちゃんがかわいくて愛しくてたまらないのは変わらないからだ。


現時点での育児に対する感覚は、まあこんなところ。