君の木の下

夫婦と子どもふたりの日常備忘録

他人となんて暮らせないと思ってたけど、今は一人だと何していいかわからない

うちの大木くんは子どものころからテレビっ子だったそうで、今も好きな番組を(わたしからすると)たくさん録画して見ている。

結婚してからは、夕飯~夜の時間帯はそのうちのどれかを一緒に観るのが習慣になった。(わたしは特に好きな番組もないので、大木くんが選んだものを見たり、興味がなかったら隣で本を読んだり)

 

先日も同じように録画の番組を並んで見ていた。

流していたのは「セブンルール」という番組で、毎回、一人の働く女性に密着し、それをYOU、オードリー若林正恭青木崇高本谷有希子の4人があーだこーだ言いながら見ていく、というもので、わたしも気に入って、大木くんが見るときは必ず一緒に観ている。

その番組の先日の放送の中で、若林が「結婚する前は他人と暮らすなんて自分には無理だと思ってたけど、今は逆に一人だと何していいかわかんないんすよね」みたいなことをふと言ったのだ。

それを聞いてわたしは、

「よかったねえ、若林」

しみじみと隣の大木くんに言った。

そういう結婚ができたのはきっと幸せなことだと思ったからだ。自然な出会い以外で看護師や保育士と付き合う男なんてろくなやつがいないと思ってたけど(超偏見)、そういう相手を見つけられたのなら、結果オーライだ。よかったよかった。

すると大木くんは、

「でも俺、若林の言うことすごいわかる」

と言ったのだ。

 

ほ!

それはわたしとの結婚が幸せということかい!?

 

一瞬でわたしの心臓は高鳴ったが、平静を装って「そうなんだ」とだけ答える。

「意外とすんなり馴染んだというか」

と大木くん。

「そりゃよかったね」

 

その会話はそこで終わったが、なんだか心に残る夜になった。

独身の頃は他人とは生活を共にできないと思っていた大木くんが、その当時の感覚を思い出せないくらいわたしとの二人暮らしに馴染んでくれているなら、わたしがいることが大木くんにとって当たり前になっているなら、それは本当にうれしいことだ。

 

齢をとってもそういう夫婦でいられたらと思う。