7日目。
朝はいつもよりゆっくりと起きた。
窓からは赤マッターホルンが見える。
眺めながら朝食とします。
ツェルマットはここまで。
明日の飛行機で帰るため、今日の宿はチューリッヒ。途中、首都ベルンを観光する。
旧市街の入り口付近ではマーケットが。
有名な時計台。
橋を渡る。
おしゃれカフェバーで昼食を。
大木くんは生肉のタルタルとかいう謎料理を注文。肉だけどピクルスのような味がする。
小鉢で出てきたらおいしい!と食べられるけれど、この量は無理…。
満足しつつも、残して店を出る。
欧米人はほんと胃がでかいな。
いたずらにたくさん頼んでいるわけでもないのに毎回残してしまい、毎回店の人から「もういいの?」と怪訝な顔をされる。毎回申し訳ない気持ち。
ベルンはくるんと蛇行した川にくるまれるように街並みが残っている。
どうして川がこんなに碧いのだろう。
そして水遊びをしている人をたくさん見かける。
てっきり観光客なのだと思ったら、ベルン市民の一般的な夏の楽しみなのだとか。まじか。水着のおじさんおばさんがたくさんいた。
今日は暑いから(30℃)、気持ちよさそうだ。
次はミュンスターへ。
大木くんは尖塔の上まで階段を昇ってみるというが、わたしは軽い頭痛でしんどいので座って待っていることにする。
大木くんにとって来てもらった展望台からの動画はとても綺麗で、わたしも無理して登ればよかったかな、と少し思った。
帰りにチョコレート屋さんにより、実家や職場の人にちょっといいお菓子を購入。もちろん自宅用も。とてもおいしかった。
ベルンはここまで。
体調が思わしくなかったのでぼんやりした旅になってしまい、大木くんには少し迷惑をかけた。でも、それでも楽しかった。
行ってみたかったヨーロッパの古い街。本当に素敵だった。
さて、チューリッヒ駅から宿を目指す途中で、カフェを見つけてしまった。
カフェ…。好きなのにこの旅行ではまだ一度も行けていない…。と立ち止まってしまうと、「入ろうか」と大木くんが言ってくれた。
15分だけ、食べたらすぐに出る、と約束しながら中に入る。
わたしはチョコレートケーキ、大木くんはチョコレートアイスを注文。あとコーヒーを2つ。チョコとマカロンがオマケでついてきた。
コーヒーはしっかり深みのある味でおいしい。チョコレートも。これバレンタインの催事場で売ってるお高いチョコの味がする~。
店員さんが、「どこからきたの?」と話しかけてくれる。日本です。と答えると、うちの店、日本の食器を使ってるんだ!と嬉しそうに教えてくれた。
小兵窯という美濃焼のメーカーらしい。
おお、確かに陶器だ。へえ。こんなところに日本とのつながりがあるとは。
そういえば花瓶もジャパニーズ。
小さいけれどかわいくておいしいカフェだった。
入ってみてよかったー!
さて、ホテルに荷物を置き、夕食を取りに。
チーズフォンデュの店を予約している。
実際のところ、チーズフォンデュはスイスの中でもフランス語圏の地方の料理らしくて、チューリッヒの郷土料理ではないらしいが、せっかくチーズのうまい国に来たのだから!
そして、これまで食事はなるべく節約していたのだけれど、今日はもう最後。今日は特別!堪能するぞ。
前菜1品と、チーズフォンデュを注文。
「メイン料理が1人前ですが…?」とウェイターさんに怪訝な顔をされるが、これまでの旅で食べきれないことはわかっているので、ひとまずこれで、とお願いする。
おいしそう。
実際、これまで日本で食べた安いチーズフォンデュより断然おいしかった(当たり前)。チーズのコクと白ワインの香りがいい塩梅で。
野菜が食べたかったので、付け合わせのピクルスを注文。玉ねぎのピクルスが大変おいしかった。
帰りにスーパーで似たようなピクルスを買って帰ったのだが、全然味が違った。この店のは、こだわりの自家製ピクルスだったのだな。
食後、少し街を散策。
朝ごはん用におにぎりを買って帰る(サンドイッチはもううんざりするほど食べ飽きてしまっていたので)。
旅行も7日目ともなると気分もだらけていて(体調がよくなかったのもあるが)、ろくに髪も乾かさず、コミュニケーションもおざなりに、変な体勢のまま眠る。
翌日。8日目。
昨日気の抜けた状態で眠ってしまったため、朝もゆっくりになってしまった。
どこへ出かけるでもなく、空港に向かう。
もう帰るだけ、と思うと気持ちに余裕が出て、飛行機で珍しく二人ともお酒を頼んじゃった。
11時間後、ヘロヘロになって日本に着く。
昼前には自宅に着いたが、二人とも時差ボケが辛くて少し昼寝をした。
実はこの日は結婚記念日だったため、夜はちょっと豪華に手巻きずし。
一周年である。
1年間本当に楽しかったですね。
それはもう、びっくりするくらい、楽しいことばかりの1年だったような気がする。人生がひっくり返るくらい。
旅行から帰って、一つだけ悲しかったことがある。
水をあげられなかったベランダの苺がこんな惨状になっていたのだ。
なんてことだ。
苺の花言葉は、「幸福な家庭」。大木くんが、プロポーズ用に買ってきてくれたものだ。わたしたちの幸福な家庭はもう枯れてしまうのか!?
「離婚しないでぇ!」
思わず大木くんに縋りついた。
でも。1週間後。
復活の兆し。
苺って強いんだな。我々夫婦も、今後困難にぶつかったとしても、かくありたいと思った。