君の木の下

夫婦と子どもふたりの日常備忘録

長女メンタリティ

時々見栄を張ってしまうのはわたしが長女だからだろうか。


大木くんの誕生日はもう少し先なのだけれど、旅行に出掛けてしまうので先に誕生会をやることになった、唐突に。
で、誕生日プレゼントでほしいと言われていた眼鏡を買いに、二人で吉祥寺中の眼鏡屋を回ることになった。

数時間かけて比較検討し、チェーンでない店で、それも薄型レンズなど頼もうものなら結構なお値段がすることがわかってきて、そういう値段との兼ね合いもあってとあるお店よ一本の眼鏡に決定した。

眼鏡屋で視力を測ってもらい、レンズを選ぶ大木くん。放っておくと、大木くんは当初予定していた傷防止加工を注文していないではないか。あわてて大木くんに声をかける。
「傷防止加工もつけたら?」
「いいの?」
「いいよいいよ。つけなよ」
親指をたてるわたし。

いや、なにがいいよだ! 今ので合計が4万円になったぞ!
にこやかに笑いながら、心の奥で冷や汗。明日から旅行でまたお金かかるのに。4月は想定よりは残業が少なくて見込みより給料が少なくなるのに。この後ワインもステーキ肉も買うのに。
だが言ってしまった言葉を引っ込める訳にはいかない。にこにこしながらわたしは財布を取り出したのだった。


末っ子で生まれていたら、こんな時無理をしないでいられたんだろうか。
そういえば付き合いはじめの頃も、わたしは頑なに割り勘にこだわっていて、かなり財政状況が悪化してからようやくうちあけ、少し多めに払ってもらうようになったのだった。

もう少しうまく甘えられる人間だったら、人生ももっと楽で楽しくなっていたのだろうか。


と、なんだか悶々と考えてしまう側から、電車で空いた席に大木くんを座らせ、眠いと言う彼に
「着くまで寝てなよ。起こしたげる」
とほぼ条件反射で言ってしまう、長女メンタリティ。
けれども、「うん」と素直に目をつぶる大木くんを見ていると、自然と幼い頃の、背伸びをして妹たちの面倒を見た記憶が思い出され、なんだか懐かしく甘い気持ちになってほっとしてしまうのである。

で、まあいっか、となるのだ。
これがわたしだし、これがわたしと大木くんだから。

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昨日の晩ごはんは大木くん誕生日仕様。
ステーキ、ハッセルバック、玉ねぎのスープなど。
大木くんの希望でパンではなくごはん。
ワインは輸入店でお店の方に選んでもらったのだが、コクがあってかつするりと飲みやすく、900円程度なのに大変美味しかった。