君の木の下

夫婦と子どもふたりの日常備忘録

興味の持ち方

シラクーザに来た、と大木くん(仮)に電話で話していたら、電話しながらインターネットで調べてくれたらしく、「世界遺産なんだね」とか「闘技場ってローマだけじゃないんだね」などと話をふってくれた。

わたしは彼のそういうところをとても尊敬している。
なんというか、他人事にちゃんと踏み込んでくれるところを。自分事のように捉えて興味を持ってくれるところを。

わたしにはないものだ。
わたしはいつも、他人事を他人事のまま済ませてしまう。だから、人との会話もどうしても表面的になる。へえ、とか、いいですね、みたいな短い感想を言って終わり。いつも。

わたしが旅行の度にやたら他人に話しかけたりあわよくばホームステイ的なことをしたがったりできるだけ一ヵ所に長く居たがるのは、そうでもしないと「体験」にならないからだ。
いくら綺麗な景色を見たって、わたしのぼんやりした頭では、表面的に観光地をなぞっただけで終わってしまう。なにも残らない。

でも彼みたいな人は、どんな経験も他人の体験談でさえも、ちゃんと自分の実にしてしまえるのだろうな。
そういうのって人からも好かれるだろうし、とてもスマートで、うらやましいことだ。