君の木の下

夫婦と子どもふたりの日常備忘録

マンションを買ったあとの未来を考える

郵便受けにチラシが入っていた。
モデルルーム見学で、1000円のクオカードがもらえるそうだ。
こんなにもらえるなら、前々から行きたいねって話していたことだし、デートがてらいこう!モデルルームデビューしよう!ということになった。

場所を見る。今住んでいるところから電車でさらに9分ほど田舎へ行ったところだ。たったこの9分(ただし都心へ出る場合乗り換えが生じるし、住所も「あ~○○市か」なところにはなる)でマンションは半額近くまでになる。

「買えるねえ」
「余裕だ」
「しかも広い」
「充分だね」

私たちは広告に釘付けになった。

チラシを片手に、マンションを買った未来を二人で想像してみた。

「この4LDKを買ったとして、子どもができなかったらどうしたらいいんだろう」
「……広々暮らすんじゃない?」
「ここであと50年は暮らすよね」
「まあそんなもんだろうね」
「50年後…」
「マンションは老朽化して、若い人は入ってこなくて空き部屋が目立ってきて……」
「周りもみんな高齢化して……」
「……」
「買い換えたい! そうなる前に買い換えたい!」
「そうねえ。でも無理でしょ。こんな場所の古いマンションなんか売れるわけないし」


私たちはなぜ家を買いたいのだろう。
夢のマンション。
でもわたしは、心のどこかで、いつまでも夢のままであってほしいと思っていたりする。