君の木の下

夫婦と子どもふたりの日常備忘録

子育て向いてないなと思うとき

ふみちゃんがRSウイルスにかかり、数日保育園をお休みした。

そこであらためて感じた。

わたし子育て向いてないな。と。

 

なにがダメかって、つい延々とテレビや動画を見せ続けてしまいそうになることだ。

撮り溜めている「いないいないばあっ」や「アンパンマン」を見せていればその間ふみちゃんはおとなしくなる。つい、それに頼ってしまいたくなるのをなんとかこらえて一番組終わったらテレビを消し、相手をする。

体調が悪いふみちゃんを外へ連れ出すわけにいかないので、一日中部屋の中ですごす。

 

ふみちゃんが最近ハマっているのは、まず、パズルだ。

ミッフィの9ピースと15ピースのパズルを持ってきて「おかあしゃんとーじ(お母さんはオレンジ色のパズル)」「みっちゃんきいろー」と言ってパズルを始める。

ふみちゃんが15ピースのパズルをやる間、しかたなくわたしも9ピースのパズルをはめていく。(こちらの手が止まっていると「かあしゃんも!」と指摘が入る。)

何回か繰り返し、パズルを交換してまた同じことをやる。延々。40分くらい。40分間、9ピースとか15ピースのパズルを子どものペースに合わせてゆっくり完成させ、壊し、完成させ、壊し、完成させ、壊し。これをやり続けるのは苦痛でしかない。

時々「キリンさんできたねー」「つぎはどれにする?」などと声をかけるが、その声かけのレパートリーもなくなって、結果、同じセリフをなんども口にすることになる。

 

次はレゴだ。

といってもふみちゃんはまだ自分で思い通りに作れるわけではないので「かいだんつくる」「しょうぼうしゃ、おうちつくる」と言われたものを、手助けしていかないといけない。見守っているだけ、というわけにいかないのだ。

「じゃあここにくっつけてみようか」「これをここにのせてごらん」

レゴで階段が完成したら、次は延々人形を上ったり下りたりさせる。「いっしょに」とわたしも人形を持たされるのでふみちゃんと一緒に人形を上り下りさせなければならない。

 

そして絵本。

ふみちゃんは絵本が大好き。一度読み終わると「もっかい」と言われるので最初のページに戻ってまた読む。

「もっかい」最初に戻る。「もっかい」最初に戻る。「もっかい」最初に戻る。「もっかい」最初に戻る。「もっかい」最初に戻る。

それを何度か繰り返し、次の絵本。「もっかい」……。

ただ文章を読むだけならまだいいのだけど、この頃たまたま安野光雅の旅の絵本という文字のない絵本にハマっていたので、「さっきのおじさんどこかなー?」「あっ、牛さんがいるねえ」など適宜コメントしていかないといけないのが地味に面倒くさい。そしてそのコメントもじきにネタ切れに……。

延べ数十回絵本を読むとようやく」11時前で、

「お母さんお昼の準備するからテレビ見ててくれる?」

で、ようやく解放される。

 

ごはんを食べさせてお昼寝のための寝かしつけをし、家事を少しして15時ごろおやつを食べさせたらまた、夕方までその繰り返しの時間が待っている。

つらい。

たぶん、この繰り返しの時間がそんなに苦痛じゃないタイプの人もいるのだろうけど、わたしはつらい。

 

延々テレビを見せてしまいたい。

そしてその横でスマホ見たり好きな本読んだりしたいよ。

そんなふうにうわの空でふみちゃんに向き合っていることに罪悪感を覚えつつ、なんというか身が入らない。

中身のない時間がうすくうすく、引き伸ばされていく。

 

ふみちゃんは2歳だけどイヤイヤ期はまだ手に負えないほどではないし、よく寝る子だし、どちらかというと育てやすい子なのだと思う。

それでもしんどいのだ。

たぶん、わたしがもともとかなり怠惰な性格なのでそのせいだと思う。人目がないと何事にも集中できなくて、勉強するときはカフェや図書館を利用するタイプ。家では自制心がまったく働かずどこまでもごろごろと無為にすごしてしまうタイプ。

こんな人間なので、1対1の子育ては向いてないのだなあと思う。

 

ふみちゃんはかわいいけど。いとしいけど。ずっと抱きしめていたいけど。

でも、ほんとうに2人だけの世界で「ずっと」になってしまうと、その味がわからなくなって、味わうのをやめたくなるのだなあと思った。