君の木の下

夫婦と子どもふたりの日常備忘録

産後2か月、ジョギングの再開

産後2か月近くたち貧血も落ち着いてきたので、ついにランニングシューズを履いて外へ飛び出した。

昨年の11月にフルマラソンを走り、その後もしばらくは軽いジョギングを続けていたが、12月に絨毛膜下血腫になってしまい、それ以来9か月まったく走っていなかった。

ずいぶん体力も筋力も落ちているだろうと考え、とりあえずこの日は2キロ弱先の本屋をゴールに設定する。帰りはバスで帰ろう。
まあ2キロならむしろウォーミングアップくらいの距離だし、ゆっくり走ればなんてことないだろう。でも調子に乗ってあんまり遠くへ行くと帰ってくるのが大変だから、とりあえず今日はここまで。

……などと余裕ぶっこいて走り始めたのだが。

全然走れない。

開始2分、走行距離300メートルで「あ、これはムリかも」と気づき始める。
息が苦しい。足が上がらない。
500メートル地点でゆるい上り坂に差し掛かり、「もうムリ」。早々に諦めて歩き始めた。500メートルで「ジョギング」と呼べるかよ…。哀しい気持ちでいっぱいだ。

その後も走ったり歩いたりを繰り返し、およそ1.8キロ走り切るのに15分近くかかってしまった。

屈辱。
これほどまでに体力を失っていたとは。
切迫流産の時と産後の3週間はほぼ寝て過ごしたとはいっても、産前は毎日小一時間散歩するようにしていたし、産後も日々子どもを抱き上げあやしていたから、最低限の体力は保てていると思っていた。
しかしまったくそんなことはなかった。

体重も、出産直前は妊娠前プラス12~13キロまで増えていたのが、すでに元の体重まであと2~3キロというところまで落ちているので、特別体が重いわけでもないのに。


また、走りにくかった別の理由として、妊娠前と比べると、胸がやたら重くなっていた。
授乳中ということでサイズもでかくなっているし、乳腺が発達して、中におもりが入っているような感じにもなっているのだ。おっぱいを貯めているからな。走るとこれが上下に揺れて痛い。そこそこホールド力のあるスポーツブラをつけているのに。

女性の胸はクーパー靱帯という靱帯で支えられている。クーパー靭帯はスポーツなどで胸が揺れ、衝撃が加わることで切れてしまうことがあるが、靱帯なので一度切れると手術でもしない限り治らない。そしてクーパー靭帯が切れまくるとどうなるか。支えを失い、胸が垂れるのである。

それを知っているので、もう胸が揺れるたびにわたしは気が気ではない。
「痛い、痛い。胸が垂れる!!!」
仕方がないので走行中は小さく前へならえみたいなポーズをして、手首で胸を押さえながら走っていた。
これがまた煩わしい。
巨乳の人って大変なのね! 今までただ羨ましがるだけで大変さをわかってあげられてなくてごめんなさい! と謎の懺悔を心の中で唱えながら走る。

この先、授乳が終わるまでずっとこうなのだろうか。これでは長い距離が走れない。
早くしぼんでほしい。
まさか乳がしぼむことを望む日が来るとは思わなかった。


そしてだめ押しは翌日の筋肉痛である。

まじかよ、2キロも走ってないのに!

内転筋と言うのだっけ、ももの内側が痛くなっている。
これほどまでに弱っていたのか。大木くんも驚いていたが、自分自身が一番唖然としている。
今わたしは、人生で一番体力・筋力が弱っているのだと痛感した。
出産前は今シーズン中に10キロ、可能ならハーフ走れるところまで取り戻そうと楽天的に考えていたが、これはかなり果てしない道のりだぞとうすうす気づき始めた。

ランニングは、真面目に練習して筋トレして体重管理していればそれなりに結果が出る。走っているうちに体が軽くなってどこまでも走れそうな気分になったり、前へ進む脚の力強さに自分で感動したりする。
ああわたし、こんなに速く走れるんだ。風が気持ちいい。進め、もっと進め。
走ることが楽しいのはそういう瞬間があるからだ。
しかし今のわたしでは、そんな状態には程遠い。走ることを再び楽しめるまで、長くて地味な年月がまた必要になりそうだ。

f:id:kinoshita-kinoshita:20201006102205j:plain
本文と関係ないけど秋なので栗ご飯食べた写真を貼っておきます。


翌週。
胸の揺れに関しては解決した。
胸の上に巻くバンドを購入したのである。

世の中には便利なものがあるものだな。
やや締め付け感はあるが、揺れて痛いということが全くなくなった。
とりあえず断乳までこれで走れそうだ。

また、今回は2キロ強の道のりを歩かず走りきることができた。
要因は単にスピードを落としたというだけであるが。

でもまだ恥骨痛も残っているため、どのみち無理はできない。果てしない道のりだが、数ヶ月かけてゆっくり体を取り戻していくしかない。
次にフルマラソンを走れるのは一体いつになるだろうか…。





今週のお題「運動不足」