君の木の下

夫婦と子どもふたりの日常備忘録

富士山マラソン2019の感想

11月24日は富士山マラソンだった。

 

約9か月ぶりのフルマラソン。これが終わったら妊活をしようと決めていて、これで最後と言うわけではないが、一区切りつけるつもりで、これまでよりもたくさん練習して臨んだ。

 

 

というわけで、来年富士山マラソンに申し込もうとする方への参考と自分自身の備忘録のため、時系列順に簡単にまとめておく。

 

 

 

1 移動はレンタカーで

前日土曜日に山梨入り。10時半ごろ大月駅に到着。ここからレンタカーを借りることにした。

会場の最寄は河口湖駅だけれど、そこまで行くと電車も遅いしここで車に乗り換えるのがベターと判断した。

なお、この日はカーボローディングと称して「皆吉」という古民家のごはん処ででほうとうをたべ、体を休めるべくほったらかし温泉につかった。ほうとうはおいしかった。ほったらかし温泉はぬるめの温度で気持ちよかった。

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2 前日受付はめっちゃ混む

17時ごろ河口湖の会場へ受付をしに行った。

どこかで車を止めて、と思ったが、そもそも駐車場をつぶして会場にしているため、車を止めるところがない。あとなんか知らんけど道めっちゃ混んでる。マラソンのせいなのか、紅葉狩りの季節だからなのかはわからないが、車が全然動かない。

適当なところで大木くんに路肩に停めてもらい、わたしだけ受付へ行った。

受付の列に並び、参加賞の列に並び、ついでに、安全ピンを忘れていたので総合案内に並び…としていたら結構時間がかかった。いろいろなブースも見てみたかったが、人が多くて断念。

次回行くことがあったら、追加料金を払ってでも自宅に送付してもらうか、新宿まで事前受付に行った方がいい。ちなみに、当日の朝はもっと混んでいたよ。

 

3 宿は山中湖(になった)

宿をとったのは6月下旬だったが、その時点でもうすでに川口湖周辺の宿は高いところしか残っていなかった。このマラソンに絶対出ると決めているなら、エントリーが始まる前に宿は押さえた方がよいみたいだ。

まあ、我々は車移動なので少し離れていてもかまわないと、山中湖近くの「ペンションすももの木」に宿泊。階段においてあるぬいぐるみや、ちょっとレトロなベッドカバー、「お風呂上りにアイスがあるよ」なんて言われて、親戚の家に泊まりに来たみたいな感じ。ほのぼのする。8時からは山中湖の花火も見えた。うれしい。

晩ごはんは、やはり山中湖畔で豚丼を。

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豚丼「膳」と言う店。帯広風。めっちゃうまいんだが。明日はマラソン。食べ過ぎてはならぬ……。(結果食べすぎた)

 

4 スタートまで

会場まで車で送ってもらった。7時40分ごろ。この時間は道路はさほど混んではいない。なお、大木くんは身延山紅葉狩りに行くという。

雨がぱらついていたのでお土産物屋さんでレインポンチョを買った。その土産物屋は、ランナーにトイレと更衣室、休憩室を提供してくれていたので利用させてもらう。休憩スペース(食堂)は混んではいたが、座れないほどではない。また、女性用の更衣室は利用者が少なくて空いていた(ただ、外からちょっと見えそうだった。わたしは着替えの必要がないので関係なかったが)。畳の部屋で、じっくりとストレッチ。

他にもトイレや更衣室を提供してくれている店舗がいくつかあった。コース上にも、トイレを使わせてくれるお店が数多くあった。総じて、仮設トイレや既設の公衆トイレより空いていた。大変ありがたい。

さほど寒くなかったので(この日は10月並みの暖かさ。朝の時点で15度くらいあり、日中は20度くらいまで上がったんじゃないか)、半そでのウェアの上にレインポンチョだけかぶり、荷物は8時20分ごろには預けてしまった。なお、寒ければいらないセーターなどをスタートまで着ていることができる。スタート地点で衣類は回収箱に入れられるようになっていた(服はリサイクルされ、戻っては来ない)。

8時40分ごろ、「E」のエリアに並ぶ。

 

5 開会式

日本語と英語で開会式が始まった。13000人のエントリーのうち、4000人だか5000人だかが外国からのエントリーなのだそうだ。たしかに周りは台湾人やタイ人、欧米の人らがたくさんいた。

ゲストに瀬古俊彦が来ていた。「雨は降っていますが暑からず寒からず、絶好のコンディションです!」と選手を鼓舞する。

 

6 コースの感想(前半) とにかく富士山

9時、号砲が鳴り、一斉にスタート。先頭の選手に遅れること3,4分、提灯があしらわれた門をくぐり、わたしもコースへと飛び出した。

コースの感想は、まず結構アップダウンがある。中間地点すぎの大きな坂以外はさほど注目していなかったのだけど、アップダウンがちょこちょこある。上半身が重い。昨日の豚丼がきいている……。

そして紅葉が美しい。もみじのトンネルのような道をくぐって走る。

数キロで折り返し地点があるので先頭選手とすれ違うのだが、やはり最初の数人はめちゃくちゃ早い。100メートル走かな?っていうスピードで駆け抜けていく。そのたび、我々鈍足ランナーから「おおー」とか「かっこいい」というどよめき、拍手が上がる。先頭の選手めっちゃかっこいい。

 

9キロ地点のエイドステーションは、シャインマスカットが置いてある。うわ食べたい、と思ったものの、まだ9キロなので我慢。ここは帰りも通るし……。

橋を渡り湖をしばらく反時計回りに走っていると、左側に富士山が現れた。周りから歓声が上がる。さっきまで曇っていたが、ついに雲の上にその神々しい姿が見えたのだ。富士山は雪をかぶって白く光っていた。大きい。静岡側から見るよりも柔らかいラインで、どっしりたたずんでいる。

感動しながら走り続ける。

残念ながら、写真はない。キロ6分前後のいいペースで走れている。写真なんかとっている場合ではない。

 

7 コースの感想(坂) こんな坂ありかよ

中間地点を過ぎてすぐ、河口湖を離れ隣の西湖へ向かう坂にかかる。見上げる。道を埋め尽くすようにランナーたちのカラフルなウエアがうごめいている。ほとんどの人が歩いている。あの先までか、と見上げて少し走って、いや、あの先道が折れて見えないだけだ。いったいこの坂どこまで続くのか。と絶望したところで走るのをやめてしまった。足にまめができていたので、救護所で絆創膏をもらい、また少し走る、高校生の応援もあるし、頑張ろう…と思ったけれどやはりもう走れなかった。「これ反則じゃない? え? 先頭ランナーたちこれ全部走って登ってるの? わたしの周りの人もうすでに誰も走ってないよ?」状態。この坂は、およそ1キロかけて約100メートル登るのだ。力のないわたしには、無理だった。。。

 

坂を上りきったところでトンネルをくぐり、下り坂に入るので走ろうとしたのだが脚がめちゃくちゃ重くなっている。坂に入る前と比べるとまるで話にならないほどの遅いタイムでのろのろ走り出す。そのあとも、歩いたり、走ったり。完全にあの坂に体もメンタルもやられてしまった。くそぅ。次走る機会があったら、ジムで2時間走った後に1キロ以上斜度10%で走る練習をうんと積んでから出よう。なんとしても走り切りたい。くやしい。

 

8 コースの感想(後半) 大きなエイドステーション

西湖の様子はというと、とても静かで穏やかな湖だった。こじんまりしていて美しい。まあ、景色が変わらないので走る気はそがれていくのだけれど。

 

28キロ地点に一番大きいエイドステーションがある。みんな広場に入って味噌汁をすすりおにぎりをほおばっている。わたしは胃がむかむかするので炭水化物は無理だが、お味噌汁はもらった。疲れた体に沁みる……。マラソン中に飲むみそ汁はこの上なくうまい。

そうこうしているうちになんと5時間のペースメーカーの方々までわたしを抜いて行ってしまった。うわ、もう今日は終わりだ、と諦めモードに入ってしまう。

 

気を取り直してレース再開。脚は痛いが、少し休んで体がやや軽くなっている。そのまま河口湖への坂を駆け下り、残り7キロ。あっそうだ、ラスト3キロ地点のエイドでシャインマスカットがあるんだった。そこまではとにかく走るぞーと、遅いながらも足を止めないで進む。

が。世は無常である。シャインマスカットはすでに姿を消していた。あるのはチョコとクッキーばかり。人気者は短時間で売り切れるのだ。婚活と同じ。そんな気はしていたよ。だいたいどこの大会でもそんなもんだよ……と自分を慰めようとするも、心が挫けてつらい。足が重くなる。ぐす。シャインマスカット、食べてみたかった。来年の秋は高くても絶対買うし、と心に決める。

 

残り3キロ。ここまでくると、もう1キロどころか100メートルが異様に長く感じる。それでもあと少し。朝くぐったあの提灯が見えてきた。よしあそこまでだ。重い足をあげ、無理やり腕を振り、なんとかかんとか、ゴール。

 

9 ゴール後  豚汁うますぎ…

メダルをかけてもらい、バナナ、水、パンを受け取る。目指すは無料の豚汁。ここは全然なくなりそうにないくらい十分に用意があった。1杯受け取り、アスファルトのあいているところへ座り込んで豚汁をすすった。うまい……。一口すするごとに「あぁ」とため息をついてしまうくらいおいしい。沁みる。塩分とうまみが、疲れて冷えた体の隅々まで沁みる。

 

食べた後は、荷物を受け取り、大木くんにライン。数分で来れるようなのでお土産物屋さんでクッキーを買い、ソフトクリームを食べつつ大木くんを待つ。河口湖で花火が上がった。大会終了である。空は再び曇っていて、富士山は見えなかったが、それでもこのお祭りの空気は楽しかった。

さて、待っている間に、さっきまでスムーズだった交通がどんどん渋滞してきた。15時になり、全面的に交通規制が解除されて交通量が一気に増えたらしい。大木くんも渋滞に巻き込まれ、到着に少し時間がかかった。

 

10 ついでの観光  もみじ回廊

大木くんの運転で、もみじ回廊へ。本当に美しい紅葉をくぐって歩く。

走っているときも思ったけれど、このあたりの紅葉は本当に綺麗な色をしていた。本当にいい時期に大会をやってくれているのだなあとしみじみ感謝の念が浮かぶ。

都留駅前で温泉「より道の湯」に入り、さっぱりしてから大月駅でレンタカーを返却。

駅前の何屋さんなんだかよくわからない古民家の食べ物屋「桂」で大木くんとビールで乾杯。田舎っぽい優しい味の味噌ラーメンでおなかを満たして、帰路についた。

明日も仕事だ。

電車に座っているのもつらいほど酷使したおしりが痛いが、気分はどこまでも晴れていて、なんだかわくわくしていた。

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あとから分かったことだが、実は、このときわたしは妊娠していた。

どおりで1週間ほど前から食欲が異様に増し、異様な便秘に悩まされ、異様に胸が張って体も重くなっていたわけだ。5時間かかったのは妊娠のせいだった、ということにしとこう。。。

無事に産まれたら走太とか名前つけようかな笑