君の木の下

夫婦と子どもふたりの日常備忘録

石鎚山の備忘録。

みんなで集まる飲み会のような場で、大木くんはわたしではない女の子といちゃいちゃしている。二人は前々からデートする仲である。わたしが「今後もそういうことするなら家から出てって」と言うと口ごたえするので、「なめてんじゃねーぞコルァ!」と大木くんを折檻する…というところで目が覚めた。
なかなかスリリングな夢であった。


さて、この日の予定は愛媛県にある石鎚山という西日本一高い山の登山だ。
当初山登りの予定はなかったけれど、たまたま取れた宿が国民宿舎石鎚という、登山口にある宿で、これはもうこの山に登るしかないとなった(のはわたしだけで大木くんはさほど楽しみにはしていなかったようだけど)。


我々が今回挑戦するのは「土小屋ルート」。標高差が少なく、今年は雪も積もっていないから、初心者でも十分登れるとのこと。
朝10時半。宿の駐車場に車を止めさせていただき、出発。
のんびりした登山道を進む。
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一面笹でおおわれている。時々ショウジョウバカマアケボノツツジが咲いている。
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ロープウェイからのコースとの合流地点へはするすると進んだ。


一息ついて、この先のコースをふり仰ぐと、
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何か見える。
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なんだあれは。ほぼ垂直な斜面にへばりつくように登る人の列は。
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この鎖を登るらしい。ちょ。おかしくない? え? これ登るの? とビビりながらもここで引き返すわけにはいかない。
とりあえず大木くんに先を行ってもらう。
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土小屋ルートだと、六十数メートル×2回。
岩場がへこんでいて鎖が完全に浮いている箇所などもあり、結構怖い。わたしたちの前には、立ち往生してしまう人もいたが、途中で降りるわけにもいかず、渋滞を起こしながらも進まざるを得ない。

落ちたら、マジで死ぬ! という恐怖感からか、登り終えたら足ががくがく震えていた。(単に力が入りすぎていたせいもあるけれど)
命綱もない新手のアスレチックのよう。ここは修験道なのでこういうタフなコースが設定されているようだ。

わたしたちは作業用の、手のひら部分がゴムになった手袋をつけていたため割と何とかなった感があるけれど、振り返れば小学校低学年くらいの子どもたちがするすると身軽そうに登っていてしかも素手である。完全に負けた。


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神社のある弥山の山頂について、次に目指すのはあの向かいの山頂。天狗岳
そそり立つ崖がかっこいい。
じつは天狗岳へは本来なら片道15分程度のようだが、この日は人が多くて、その入り口につくまでに50分くらい並んだ。ゴールデンウィークは大変混むようだ。(入口で調整しているので、そこを抜ければそれほどストレスはない)

切り立った崖の上を歩く。
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崖の下をのぞき込む大木くん。
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割と怖いです。ちょっとでも風が強かったり、小雨でも降っていたら無理だったと思う。
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へばりつくようにして進んでなんとか登頂できた。山頂には「天狗岳1982m」というプレートが用意してあって、それを掲げて写真を撮った。なんかすごいことをなし終えた気分だ。


大変スリリングな登山だったけど、「ぎゃーこわいこわい!」と叫びながら登るのが楽しく、そしてそれを大木くんと一緒に達成できたことが本当にうれしく、今回のゴールデンウィークの一番のハイライトになったように思う。

でも、わたしたちは本当にすごいことを成し遂げた気持ちでいるのだけど、わりと素手で登っている小学生くらいの小さい子たちがたくさんいたんだよなあ。
すごいね、彼らは。
そして、なかには2歳くらいの子どもをしょいこに乗せて天狗岳に登頂していたパパもいて、「!?!?!?」って感じだった。



渋滞のせいもあり、宿に着いたのは4時半ごろ。もう少し早く出発すべきだったかもしれない。
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部屋からの夕焼け。
今日はとにかく楽しかった。
心地よい疲労を感じる。



今週のお題「特大ゴールデンウィークSP」